近年、医療の現場では統合医療の導入が始まりつつあります。
統合医療で取り入れられる代替医療で最もよく知られているものは漢方です。
漢方は古代中国で始まった中国伝統医学で、日本に伝わった後に日本独自の進化を遂げた伝統医療です。
漢方薬による治療だけではなく、鍼や灸なども含まれています。
中国から朝鮮半島を渡って日本へ伝わったのは6世紀中頃と言われ、長い歴史を持っています。
日本では明治以降、西洋医学が医療の中心となりましたが、それまでは漢方などの伝統医療を中心とした病気の治療が行われていました。
西洋医学が取り入れられると漢方は次第に衰退し、公的な医学教育からも排除されました。
その後は医療とは別のものとして存在し、現在も多くの漢方の医師は西洋医療の医師とは別の場で治療を行っています。
近年になり漢方の需要が急速に高まり、医学部の講義に加えられるなど、再び医学教育の場に漢方医学が取り入れられています。
漢方は人がもともと持っている自然治癒力を高め、身体のバランスを整えることで不調を改善します。
そのため患者一人一人の病状や体質を診断し、それぞれに最適な治療を行います。
漢方は西洋医学では解決が難しいあらゆる病状に対処できることが認められ、今日、多くの医師が漢方薬を診療に使用しています。
最近では癌の治療においても西洋医学と漢方による統合医療が行われています。
特に高齢化やメタボリックシンドロームが社会問題となっている日本では、統合医療における漢方は重要な役割を果たす医療と考えられています。
現代は昔に比べてストレスの多い時代といわれます。
ストレスの原因は環境、人間関係、仕事など生活のいたるところにあります。
ストレスは生活習慣病や胃潰瘍、十二指腸肝炎などの健康障害を引き起こすことはよく知られています。
日本の脂肪要因の1位である癌も、ストレスによる免疫の異常が関係しているといわれます。
適度なストレスは心身への刺激にもなりますが、過度なストレスはホルモンバランスを崩します。
そして過食の原因になり、脂肪増大や高血圧を引き起こします。
またストレスは特定の病気に分類できない体の不調を起こすことがあります。
これは身体に異常がないため治療の手がかりがなく、患者自身が納得できないまま悩むという場合があります。
現代に生きている限り、ストレスは避けることはできません。
そこでストレス社会で健康を維持するためにはストレスを発散し、溜め込まない努力が必要です。
ストレスの発散には水泳やウォーキングなど適度な運動が効果的です。
また自分の趣味に没頭したり、ストレスの原因を他人に話すことでも発散できます。
ハーブティーやアロマオイルでストレスを発散する方法もあります。
近年、医療の現場では統合医療の導入が急がれていますが、それに伴い代替医療への関心が高まっています。
代替医療は近代の西洋医療と異なり、自然治癒力や免疫力を高めることを基本としています。
ストレスによって低下した免疫力を取り戻すためには代替医療による治療が適しているといえます。
このようなことからも、ストレス社会における健康維持に、代替医療を取り入れた統合医療の必要性が高まっています。
日本では近年、メタボリックシンドロームの増大が社会問題になっています。
メタボリックシンドロームとは内臓脂肪の増大によって、高脂血症、高血圧、高血糖などの症状が現われ、さまざまな病気にかかりやすくなった状態のことをいいます。
現在、中高年男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム、あるいはその予備軍にあると言われています。
また日本ではメタボリックシンドロームをはじめ、高齢化やストレス社会により、医療費の増大が問題となっています。
このままでは日本の医療費は深刻な財源不足に陥ることは避けられません。
2008年からはメタボリックシンドロームの予防や改善のために、新しい検診制度が導入されるなど、メタボリック対策は国をあげて行われる重大な課題になっています。
医療のあり方が問われている今日、「病気を治す治療」から「病気を予防する医療」への移行が求められています。
そこで医療の現場で重要となるのが統合医療です。
統合医療はこれまで医療の中心であった西洋医療に、代替医療を取り入れた医療です。
代替医療は高額な医療機器を使用しないため、医療費の軽減につながります。
そして体の免疫力や自然治癒力を高める治療であり、病気の予防に効果があります。
西洋医学は近代医療として目覚しい発展を遂げ、あらゆる病気を解明してきました。
しかし西洋医学では解明されない病気も多くあります。
その一つがメタボリックシンドロームです。
統合医療の導入が急がれる中で代替医療は、西洋医学を補い、または西洋医学に代わる医療として関心が高まっています。
今日の日本では、生活習慣病やメタボリックシンドロームの増大が社会問題になっています。
生活習慣病には食生活やストレスなどいろいろな要因が考えられますが、中でも最も大きな要因に運動不足があげられます。
車や電化製品の普及により社会が便利になり、生活の中の活動量が減少した結果、運動不足の人が増加しています。
生活習慣病だけではなく、あらゆる病気の改善や予防、老化防止には運動習慣を徹底することが不可欠です。
体を動かすことにより消費エネルギーが増え肥満を防止する他、心肺機能の向上や動脈硬化の予防、またストレス解消などさまざまな健康効果を得られます。
また、運動習慣によって体力や自然治癒力が向上し、西洋医学による治療効果を高めることも期待できます。
そして高齢化が進む中、高齢者の筋力増進にも重視されています。
運動は「運動療法」として統合医療の中でも重視され、今後の医療に不可欠なものと考えられています。
一般的に運動することはよい事だと分かっていても、実際に運動不足に陥った人が運動習慣をつけることは難しいものです。
また、健康状態によっては自己流の運動方法では体に悪影響を及ぼすことがあります。
そのような人は特に、医師の指導に基づいた運動療法で適切な運動を続けることが効果的です。
健康維持のために大切なことは、自分に合った運動を無理なく続け、必要に応じて分野の枠を越えた適切な治療を受けられる社会です。
また、睡眠は人間にとって体と脳を休養させ、次の活動のためのエネルギーを蓄える重要な時間です。
現在、忙しさやストレスなどで十分な睡眠が出来ない睡眠不足の人が多いといわれます。
人間は睡眠不足が続くと手足が震える、幻覚がみえるなどの異常な症状が現れることがあります。
また体の免疫力や自然治癒力が低下し、あらゆる病気にかかりやすくなります。
また最近では睡眠不足と肥満の関連性が研究され、睡眠不足が食べすぎや肥満の原因になることが明らかになっています。
近年、睡眠不足の原因の一つとして睡眠時無呼吸症候群が話題になりました。
睡眠時無呼吸症候群では睡眠中に呼吸が一定時間止まる症状が現れます。
睡眠が分断されることによって高血圧や高脂血症など生活習慣病につながる危険も指摘されています。
このように睡眠は健康に深い関わりがあります。
睡眠不足が生命を脅かす重大な病気を引き起こすことも明らかになり、睡眠の大切さが改めて認識されています。
近年、統合医療が今後の医療として注目される中、生活習慣によって自然治癒力を高める代替医療の必要性が高まっています。
睡眠は基本的な生活習慣として第一に改善されることが求められます。
さまざまな代替医療の中に睡眠療法があります。
これは催眠療法とも呼ばれ、睡眠中の潜在意識に働きかけて病気を治療する方法です。
アメリカでは医療行為の一つとして認められており、がん治療でも用いられています。
睡眠療法は科学的な解明はまだされていませんが、治療の中で免疫力向上効果が確認されています。
日本で統合医療の導入が急がれる中、心の治療法として再認識されています。
近年日本では高齢化社会が進み、生活習慣病が増加しています。
今日、日本は世界有数の長寿国となり、高齢者を社会全体で支える時代が到来しています。
近年では「介護保険制度」が導入されるなど、国をあげて高齢化社会に対応する制度を整備しています。
同時に国民医療費の増大や、生活習慣病の増加が社会問題なり、これまでの西洋医療のみに頼ってきた治療が見直されつつあります。
現在医療の現場では、近代医学を補い、また新たな視点を持った医療として「相補・代替医療」が注目されています。
日本より先に高齢化社会が到来し、生活習慣病の増加が問題となっていた欧米では、1990年代以降、国民の健康増進を図るために相補・代替医療の研究が始められ、国を挙げてさまざまな取り組みが行われてきました。
そして今日では近代医学と相補・代替医療を統合し、一人ひとりの希望や病気に適応できる医療として、「統合医療」が既に定着し始めています。
病気を治療する医療から、病気を予防する医療へと、大きく変わり始めていると言えます。
欧米の流れを受けて日本でも、近年予防医学の重要性が唱えられるようになり、統合医療は急速に注目されるようになってきました。
高齢者は慢性病が多く、高度な手術や最先端の治療を必要としない場合が多くあります。
また、薬剤を使用する場合は副作用がなく、効果の緩やかなものが望まれます。
在宅医療このような観点から考えると、指圧、マッサージ、鍼灸などの代替医療が適しているといえます。
厚生労働省によると現在のペースで少子高齢化が進んだ場合、2050年には3人に1人が65歳以上になると予想されています。
また現在の医療保険制度を継続していくと、国民医療費の総額は2025年には約49兆円となり、現在の1.7倍にも膨れ上がることが予測されます。
これは現在20代から40代の人が老人医療対象となる頃に、国民医療費が国家財源に匹敵するまでになることを意味しています。
急速な高齢化の進展によって医療費は増大し、就労人口の減少により納税は減少することから、このままでは日本の医療費は深刻な財源不足に陥ることは避けられません。
このような実態から、日本の医療制度の見直しが急がれています。
今日、医療の現場においては統合医療が重視されています。
統合医療とはこれまでの西洋医療に、サプリメントや漢方などの代替医療を効果的に取り入れる治療のことです。
日本と同様に医療費の増加が問題となっていたアメリカでは、現在定着しつつある医療です。
現在は医療において治療に代わり予防の重要性が指摘されています。
代替医療の多くは体の自然治癒力を高めることによって、病気の発生する前に予防することを基本としています。
また、代替医療では治療に最先端の医療機器を使用しないため、医療費の削減につながります。
日本では欧米に比べまだ統合医療は国民に浸透していませんが、今後医療関係者によって積極的に統合医療が取り入れられることが望まれています。
相補・代替医療を取り入れた統合医療は、高齢化社会を支える重要な医療として導入が急がれています。
今日アメリカでは医療費が世界一の金額となり、医療費の増大が社会問題となっています。
そして、それまでの西洋医療に限界を唱える声や、代替医療の治療費が比較的安価であることから、社会的に代替医療を求める動きが始まりました。
現在アメリカで代替医療を利用している人は国民の45%に上り、医療費は西洋医療による医療費を上回っています。
また教育レベルの高い人ほど、なんらかの代替医療を利用していることも明らかになっています。
代替医療を取り入れた統合医療の考えはアメリカの医学教授、アンドリュー・ワイル氏によって提唱されたことから始まりました。
ワイル氏は伝統医療や薬用植物などの研究を通じて、もともと人が持っている自然治癒力を最大限引き出すための医療が必要だと考えたのです。
アメリカでは1990年代になるとさまざまな代替医療が注目を浴び、公的機関による研究、調査が活発に行われるようになりました。
1992年には世界的な医学研究施設である米国国立研究所の中に代替医療事務局が設立され、今日も代替医療の研究が進められています。
ハーバード大学をはじめとするアメリカの医療系の大学の多くでも統合医療の考え方を取り入れた講義が行われ、統合医療の医師の育成に力を入れています。
アメリカでは代替医療は普及しましたが、西洋医学と代替医療を取り入れた統合医療はまだ少ないのが現状です。
さまざまな医療のよい点を合わせた効果的な治療が行われるために、医学分野の垣根を越えた医療の研究が進むことが求められています。
日本でも近年、医療関連の記事などで統合医療という言葉をよく見かけるようになりました。
現在医療の現場では統合医療の必要性が高まっていますが、統合医療を日本の医療現場に広めたのは、現在東京大学名誉教授である渥美和彦氏によるものが大きいと考えられます。
渥美氏はもともと人工心臓やレーザー医学などの西洋医学の分野では、日本の代表的な人物の1人です。
数々の医学学会で活躍し、医学賞を受賞している国際的に名の知られた人物です。
渥美氏は代替医療という言葉ができる以前から、医師として西洋医学以外の医療に関心を持ち、東洋医学などの研究をしていました。
代替医療や統合医療という言葉が使われる以前には、「第三の医学」として統合医療を提唱していました。
渥美氏は西洋医学の権威者でありながらも代替医療の必要性を説いていますが、それは医学の最先端で試行錯誤を繰り返してきた人間であるからこそ、命のあるべき姿を痛感していると考えられ、渥美氏の考えは多くの人に受け入れられています。
今日では代替医療や統合医療の考えは医療関係者に浸透し、統合医療を積極的に医療に取り入れる動きが見られます。
日本では医科大学にも代替医療の講義が取り入れられ、医師の教育の場に統合医療の考えが重視されています。
また大学の付属病院では統合医療による治療を取り入れる動きが見られます。
統合医療の一人者である渥美氏は、現在も統合医療を日本に定着させるため、あらゆる分野へ精力的に働きかけています。
渥美氏の働きによって統合医療は日本の医療に大きな変革期をもたらそうとしています。